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換気血流比不均等を解説

換気血流比不均等アイキャッチ お勉強

呼吸不全の原因の1つである換気血流比の不均等

5つの要因のうち最も頻度が高いです。

しかし、死腔であったり、シャントであったり言葉が色々出てきて混乱する人も多いと思います。

今回は換気血流比の不均等を以下の文献をもとにわかりやすく解説します。

今回のメインの参考文献はこちら
1)一和田 俊男:日呼吸ケアリハ会誌.呼吸不全の病態生理.2016
2)INTENSIVIST.特集酸素療法.2号.2018

 

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今日の目的

換気血流比の不均等を理解する

そのために・・・

この図を理解する

missmach

 

下手とか言ったらだめ!( ´艸`)笑

この図の意味がわかり、説明できるようになればOKです。

 

まず図のこれだけ理解する!

赤い線:血管・血流を表す
青い丸:肺胞の換気の程度を表す

A⇒F : 血流が大⇒小
F⇒A : 換気が大⇒小

こんな風になっています。

呼吸生理学の世界では、
血流=Q
換気=V
と表記します。

 

話の前に基本的な前提

血液は血です。換気は空気です。

血は液体です。液体は重力に逆らえません。下に落ちます。

空気は上へ上へと昇っていきます。

ここからの話は換気血流比不均等のみが呼吸不全の原因であると仮定して話を進めます。

 

理想の形は「D」

酸素交換は十分な酸素を取り込む必要があります。

そして、それを血液に届けなければなりません。

換気(V)・血流(Q)のどちらが欠けても酸素化は障害され呼吸不全となります。

missmach

V・Qが等しいDが理想形となります。

つまり、血液と空気が同じ量あるので1です。

V/Q=1が理想形となります。

十分な空気が取り込めて、十分な血液があれば酸素化は障害されないのです。

V/Qが1より大きかったり、小さかったりすることを、

V/Q mismatch・・・つまり換気血流比不均等と言います。

V/Qの正常値は0.8~1.2
1に近いほどガス交換効率が良い

 

シャント

十分な血流があっても、換気が欠如している状態をシャントと呼びます。

図で言うとA~Cです。

V/QはC⇒Bと徐々に低下し最終的にAでは0となってしまいます。

分母のQ(血流)があっても分子のV(換気)がなくなると0になりますよね。

血流は本来、静脈血が肺胞でのガス交換により酸素化されて動脈血にとなりますが、シャント血流は血流はあれど、換気がないためガス交換されずに動脈血に達します。これでは末梢の細胞たちは酸欠を起こしてしまいます。

 

では、あの図でA~Cはどのような解釈をすればよいでしょうか?

シャント血流

  • C:相対的肺毛細管シャント(V/Q=<1)
  • B:肺毛細管シャント(V/Q=<1)
  • A:解剖学的シャント(V/Q=0)

と呼ばれます。

 

C・Bの肺毛細管シャントは、痰や腫瘍などにより一部閉塞しその部分を通る血流が酸素化されずに動脈に達してしまいます。

代表的な病態としては無気肺やARDSになります。

この場合、いくら高濃度の酸素を投与してもそれに対する反応は鈍いです。

なぜならば、換気が届いていないからです。

無気肺やARDSに高いPEEPが有効なのは、閉じている肺胞や気管支を拡張し虚脱を防ぎ酸素化に貢献しているためです。

ではAの解剖学的シャントとはどういうことか?

これは、心臓の先天性疾患である心房中隔欠損症などの右左シャントの事を指します。
そのため、今回の換気血流比不均等とちょっと違いますので割愛します。

代表疾患:無気肺・ARDS・肺炎・心不全など…
呼吸音:減弱・crackles
A-aDO₂:開大
PEEPに対する反応:良好
酸素投与への反応:限定的にはあるが反応が鈍い

 

死腔

十分な換気があっても、血流が欠如している状態を死腔と呼びます。

図で言うとE~Gです。

V/QはE⇒Gと徐々に上昇し最終的にGでは∞となってしまいます。

分母のV(換気)があっても分子のQ(血流)がなくなると∞になりますよね。

シャントとは逆に血液がありません。いくら換気して酸素を持ってきても、末梢までの運搬役である血液が少ないんじゃ末梢の細胞たちは酸欠を起こしてしまいます。

 

では、あの図でE~Gはどのような解釈をすればよいでしょうか?

  • E:肺胞死腔(V/Q=1<)
  • F:肺胞死腔(V/Q=1<)
  • G:解剖学的死腔(V/Q=∞)

と呼ばれます。

 

E・Fの肺胞死腔とは肺内の領域での死腔であり、

Gは主気管支部分など、肺動静脈のとのガス交換を行っていない部分を指します。

 

E・Fなど多少血流があるところは、血流が得られる酸素は少ないものの、手放す二酸化炭素量はあまり変わりません。

これは、酸素に比べて二酸化炭素の拡散する力が20倍程度あると言われているからです。

そうなると二酸化炭素が貯留する事・酸素量が低下している事の2点を補うため、換気を高める必要が出てきます。

そこで換気のサポートを行う必要性があります。

また、死腔洗い出し効果のあるNHFも有効な可能性があります。

酸素化が悪いからといってPEEPの上げすぎは肺胞が過膨張し、そこを取り巻く動静脈を引き延ばし血流を悪化させる可能性があります。

 

代表疾患:肺気腫・肺塞栓など…
呼吸音:正常~減弱
A-aDO₂:開大
PEEPに対する反応:悪影響の可能性あり
酸素投与への反応:反応は良い

 

まとめ

missmach

換気と血流が等しいほどガス交換効率は良い(V/Q=1)
換気量のみの減弱はシャントとなり、高濃度酸素投与ではなくPEEPに良好な反応を示す(V/Q=<1)
血流量のみ減弱の場合は死腔となり、高濃度酸素が効果的な可能性もあるが、換気サポートが必要な場合も多い(V/Q=1<)
体位によって換気血流比は変動します。
健康な人でも若干の不均等は生じています。
犬なんかは人と比べて不均等が少ないと言われています。
・・・詳しくは次の記事にて

 

 

 

 

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コメント

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