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今と昔の呼吸理学療法と呼吸器合併症の予防

呼吸理学療法エビデンスアイキャッチ お勉強
える
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いきなりだけど、リハビリってどんなイメージかな?

なしこ
なしこ

運動とか麻痺の人に介入しているイメージ

える
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音楽で演歌とかHIP HOPがあるように、リハビリにも色んなジャンルがあるんだよ。

まぁこの記事呼んでるくらいだし、それくらいは知っている人が多いと思うけど、呼吸理学療法はどんなことしてると思う?

なしこ
なしこ

排痰とか??

える
える

では、今日は呼吸理学療法について知っていこうか。

 

 

本日のテーマ
1.呼吸理学療法の領域は意外と広い
2.呼吸理学療法の役割は予防も含む
3.エキスパートコンセンサスから合併症予防効果を知る
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呼吸理学療法の領域は意外と広い

日本呼吸理学療法学会によると、呼吸理学療法の関与する領域は

  1. 呼吸器疾患
  2. 神経筋疾患
  3. 新生児の呼吸障害
  4. 急性の呼吸障害
  5. 慢性の呼吸障害
  6. 周術期呼吸障害
  7. 運動負荷試験
  8. 人工呼吸管理
  9. 酸素療法
  10. 在宅呼吸ケアなど

とされています。また、これ以外にも予防的観点から地域社会への啓もう活動も含まれると考えます。

近年、慢性の呼吸障害に対する理学療法のエビデンスが出てきたり、周術期や急性期・人工呼吸器使用患者に対する呼吸理学療法での早期離床エキスパートコンセンサスが発表されたりと、ニーズの高まりを見せています。

 

呼吸理学療法の役割は予防も含む

先ほど述べたように地域社会への啓もう活動も立派な予防的介入です。

また、周術期に突入する前の術前リハも予防的観点から介入の必要性が高まっています。

周術期の理学療法の最大の目的は運動機能の維持よりも何よりも、呼吸器合併症の予防にあります。

排痰も従来の呼吸リハのイメージでありがちな呼吸介助が主体ではなく、様々な評価を経て水分バランス・薬剤調整を行い、体位ドレナージやスクイージングを用いて実施します。

これは、排痰をすることで呼吸器合併症が生じないようにしているのです。。

周術期のしんどい時に、さらに肺炎なんかになったらよりしんどくなっちゃうのは想像できますよね。そうならない為の対策を理学療法を用いて行うのです。

 

エキスパートコンセンサスから合併症予防効果を知る

呼吸器合併症予防に係るクリニカルクエスチョンは以下があります。

CQ4-13 呼吸理学療法は呼吸器合併症を予防するのか?
CQ4-14 呼吸理学療法は無気肺の予防と介助の有効か?
CQ4-16 腹臥位療法は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者の酸素化を改善するか?

 

この3つのクエスチョンを理解していく上で、

・従来と現在の呼吸理学療法の違い

・どのようなエビデンスが出ているのか

この2点を抑えておきましょう。

 

呼吸理学療法~従来と現在~

従来型の呼吸理学療法は、排痰や呼吸練習が主体でした。その方法としてインセンティブスパイロメトリ・バルブを用いた各呼気陽圧呼吸法・肺内パーカッション換気・機器的排痰補助に留まることが多くみられました。

現在の主な介入は、予防的介入・周術期など早期からの介入で、継続的な体位交換・ポジショニング・徒手的呼吸/咳嗽介助・早期離床・ACBTを使用した排痰・マニュアルハイパーインフレーション・人工呼吸器の一時的設定変更による排痰・リクルートメント・NIV装着下での運動負荷など様々な介入があります。

呼吸理学療法のエビデンス

高いエビデンス
周術期や再相関リスクの高い症例に対する抜管後のNIVやCPAPの活用

→肺リクルートメント効果によって呼吸器合併症の頻度や再相関率低下に高いエビデンスあり

有用性あり
・ICUにおける人工呼吸管理中の半座位や自動体位変換ベッドを用いた継続的側臥位への体位変換
・腹臥位療法

→自動体位交換ベッドの使用施設は限定的

→腹臥位療法はマンパワーを要するため、予防的介入というよりは重症ARDSの酸素化/生命予後改善目的が多い

高いエビデンスレベルではないが…

呼吸器合併症予防効果や短期的酸素化・肺コンプライアンスといった肺機能・画像所見の改善効果が散見されるがまだまだ症例数は少ない

→マニュアルハイパーインフレーション、ventilator hyperinflationなどの集学的な呼吸理学療法

 

十分なエビデンスは認められない
・従来から実施されてきた排痰法・呼吸練習の呼吸器合併症予防や改善効果
・上腹部や開心・大血管術後に標準的に実施されるインセンティブスパイロメトリや深呼吸練習

  →ルーチン実施は控えるべき

 

クリニカルクエスチョンの回答

CQ4-13 呼吸理学療法は呼吸器合併症を予防するのか?

A.

》ICUで管理される急性呼吸不全に対する無気肺や肺炎などの呼吸器合併症の予防には、排痰法や呼吸練習を中心とした従来の呼吸理学療法のエビデンスは限られており、ルーチンの実施は控える

》呼吸器合併症の予防には、ポジショニングと早期離床を基本とし、呼吸器合併症のハイリスク患者を選別し、早期から積極的な肺リクルートメント効果の高い呼吸理学療法の導入が有効な可能性がある

まとめ
従来型の呼吸理学療法は、エビデンスが乏しいから惰性でやるな
現在主流の呼吸理学療法は有効な可能性がある。

 

CQ4-14 呼吸理学療法は無気肺の予防と介助の有効か?

A.

》排痰や深吸気を中心とした従来型の呼吸理学療法は冠動脈バイパス術後や腹部手術後の無気肺の予防と解除に対して有効と言えない

》インセンティブスパイロメトリやPEP(positive expiratory pressure)マスクなどの補助具の使用は冠動脈バイパス術後や上腹部手術後の無気肺の予防および解除に対して有効とは言えない

》間歇的CPAP療法は腹部手術後の非挿管下の患者の無気肺の予防と解除に有効である

》挿管下人工呼吸管理中の患者においてMH(マニュアルハイパーインフレーション)は無気肺の予防と解除に有効であるかもしれない

 

呼吸管理中に生じた無気肺に対し理学療法が有効であったとするケースレポートは多く存在するが、

無気肺に対する理学療法の有効性を科学的に検討した報告は少ない

理学療法単一での効果検証は実質不可能なので、何が間違いなく有効かとはいい難い…

 

従来型理学療法(排痰・呼吸練習が中心)は胸腹部術後において一定の効果が得られていない(Pasquinaら)

→ルーチンでの運用は各種ガイドライン(AARC clinical practice etc…)で推奨されていない

 

冠動脈バイパス・上腹部術後のインセンティブスパイロメトリは無気肺の予防と解除に対し十分な効果なし

→ルーチンでの運用は各種ガイドライン(AARC clinical practice etc…)で推奨されていない

排痰・呼吸練習・各種補助具を用いた従来的な呼吸リハはICU患者の無気肺予防・解除に有効でない

これに対し、観血的CPAP療法が無気肺解除に有効で有ることを1群のケースレポートで示した

その後発展的な追試をメタアナリシスにて行い、同様に有効であったと確認されている。

MHは症例数少ないけど効果出てるケースレポートは多くでている

 

まとめ
従来型の呼吸理学療法 / 補助具の既定運用は有効といえない
上腹部術後の間歇的CPAP導入は有効であった
挿管患者に対しMHは有効である可能性あり

 

 

CQ4-16 腹臥位療法は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者の酸素化を改善するか?

A.

ARDS患者に対する腹臥位療法は酸素化を改善する。

しかし適応病態や介入方法にはさらなる検討が必要である

 

腹臥位におけるシステマティックレビュー

主要アウトカムは死亡率で、酸素化への効果は二次会咳で検討されていることが多い

対象は肺性・背臥位性ARDSを含んでいる

結果、死亡率は変わらないが一定の酸素化改善認める。改善を認めたのは対象の64~86%

腹臥位保持時間の長さと酸素化改善割合に比例関係はない

 

腹臥位療法と酸素化についての比較検討研究

酸素化の改善した群では、肺コンプライアンスが高い

腹臥位終了後もその効果が持続した

酸素化が改善しなかった群では、下側肺障害を認めた

 

腹臥位方法に関する検討

NO吸入、頭部挙上、プラトー圧を28~30cmH2Oに抑える肺保護を併用することで、より酸素化改善を認めたとの報告あり

 

 

以上となります。
何にせよ、ルーチンで何事も進めることなくしっかりと評価し実施していくことが必要という当たり前の事を言われているわけです。

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