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凝固系・線溶系シリーズ2~凝固~

お勉強

凝固系を理解すると何を得れるのか?

それは前回の最後でも述べました。

凝固系・線溶系シリーズ1~みるべき血液データ~
凝固系・線溶系って結構難しいですよね。このシリーズでは基礎・データ解釈・凝固系・線溶系・DICなど細かく解説していきます。今回は基礎・データ解釈についてです。

それに加え、こんなこともわかります。

ワーファリンやヘパリンがなぜ血をサラサラにするのか。

なんで血をサラサラにする薬には食べ合わせがだめなものがあるのか。

 

では今回は凝固系を勉強していきましょう。

 

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血はなぜ止まるのか

血液は血管の中を通っています。

なんにもないときにはスイスイ流れています。

でも血管が傷つき出血すると固まります。

血が出たら固まる。血が出てないときは固まらない。

こんな都合のいい作用はどうやって起きているのでしょうか。

ここではまず止血にかかる凝固系を見てみましょう。

 

止血の流れはこんな感じ

.png

引用:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1845

このように血を固める作用である凝固系が機能します。

凝固系は

  1. 血管収縮などが生じる血管相
  2. 血小板の集積による1次止血
  3. 血小板の連結が強化される2次止血

の3段階に分かれます。

 

血管相

血管自身が止血などに作用する機構があります。

 

血管層の図

引用:http://www.tokai-cvf.or.jp/p/p_statistics4.html

これは血管を細かーーーくみた図になります。

 

出血前の平常時の血管内の話です

この図の血管の最も内側になる血管内皮細胞

これは血管の壁という役割だけではありません。

様々な分子を生み出して、それを放つことによって抗血栓的働きを持ちます。

要するに血をサラサラに保つ機能です。

具体的な役割としては、

  1. 血小板凝集抑制
    血小板凝抑制物質の産生と凝集活性物質の分解を行い、血栓形成抑制に貢献している
  2. 凝固系の抑制
    凝固カスケードの各段階に対して抑制機構を備えている。
  3. 線溶系の促進
    仮に血管内にフィブリンができてしまった場合にフィブリンの溶解を行う

 

このように、平常時の血管内は無駄に血栓ができると血流が滞ってしまうので、血栓ができないように血管内皮細胞がツルツルサラサラ状態をキープしてくれています。

 

さて出血しました

血液は血管内皮細胞に囲まれた血管内を飛び出しています。

そうなると、その血管自身は収縮し流れてくる血液量も制限し止血しようとします。

これが血管相です。

 

一次止血

先程の血管相とほぼ同時に起きます。

出血したら血液はコラーゲンなどの組織に触れます。

血液には多量の血小板が警備員のように巡回しており、コラーゲンが露出している部位をみつけると、血小板達で塞ぎにいきます。

これが1次止血です。

血小板の作用は

  1. 粘着
  2. 放出
  3. 凝集

この3つです。

粘着は露出したコラーゲンと結合して傷口を防ぎにいく初期段階です。

放出はTXA2という血小板を強烈に活性化してくれる因子を放出し血管の収縮に作用します。さらに、ADPと呼ばれる物質で血小板を活性化させます。

活性化されると血小板から足が生えてきます。これによってフィブリノゲンと呼ばれる糊みたいな物質を介して血小板同士が連結する凝集となります。

 

この血小板凝集によって最初の血栓が形成されることを1次止血といいます。

 

2次止血・凝固カスケード

1次止血では実はまだ不安定です。

血液を固める様々な機構により血栓を作り上げる2次止血が行われます。

この様々な機構を凝固カスケードといいます。

では順を追って細かく説明していきましょう。

 

みなさんカスケードって意味知ってますか?

「滝」 です

出血してから血液が固まり、その材料を溶かすまで滝のように一連の化学反応が生じることを模した図を凝固カスケードって言います。

これが凝固カスケードです。

.png引用:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1845

めちゃムズですよね

一気に吐き気がした人も多いかもしれませんが、画面を閉じずに読み進めて下さい。

簡単にご説明します。

まず、凝固系はたくさんの凝固因子から成ります。

その凝固因子の1つが活性化すると次の因子を活性化させ、さらにその次を・・・という風に反応が連続で起きます。

この「滝」の目指すゴールはフィブリンの形成です。

フィブリンは血小板達の連結を高めてくれます。

 

そのスタートは血管内皮細胞の損傷です。

下の図を見てください。

 

.png

血管内皮細胞の中には元々凝固因子のⅢが存在しています。

これが細胞の損傷により露出します。

すると血液中を流れていた凝固因子Ⅶと出会い活性化します。

⇒外因系凝固が開始されます

また、血液中を流れてきたⅫ因子は血管内皮細胞より外側の細胞に出会うと活性化します。

⇒外因系凝固が開始されます

 

凝固カスケーa

この図の青丸は凝固因子

オレンジ丸は活性化された因子

各凝固因子に活性化した特定の因子が作用するのが赤線です

その結果作用された因子が活性化していくのが青線です

a=action 活性化を指します

 

さて、先ほど出てきた外因性・内因性・共通系とはなんでしょうか?

 

外因性

血管に傷がついて外に漏れ出した時、凝固反応によって出血を止めようとします。この時、出来るだけ素早く血液を凝固させることで出血による被害を最小限に食い止めようとします。この時の反応が外因系です。

外因系の血液凝固は10~13秒と比較的早い

 

内因性

血管の外だけでなく、血管内でも血液凝固が起こります。このように、血管内で発生する血液凝固を内因系と呼びます。

内因系では15~20分と凝固反応が遅く進行していく

 

共通系

内因系も外因系も最後は凝固因子Ⅹに行きます。

そこからは共通系となります

この第Ⅹa因子は次の反応を進めて行くために、プロトロンビンに作用します。このプロトロンビンはトロンビンへと変換され、このトロンビンがフィブリンを生成します。

つまり、血液凝固反応を抑制するためには、フィブリンの生成を抑えてしまえば良いことが分かります。

 

抗血小板薬・抗凝固薬

さて、血をサラサラにする薬は、このカスケードを食い止めれば成り立ちます。

先ほどまで説明してきた凝固に関わる因子は以下となります。

 

  • 血小板
  • 内因性(Ⅻ・Ⅺ・Ⅸ・Ⅶ)
  • 外因性(Ⅲ・Ⅶ)
  • 共通系(Ⅹ・Ⅴ・プロトロンビン・トロンビン・フィブリノーゲン)

 

ここに挙げたものの反応を遅らせる、もしくは反応させなければ抗血小板薬・抗凝固薬として成り立ちます。

抗血小板薬は1次止血を抑制します。

抗凝固薬は2次止血を抑制します。

 

抗血小板薬

有名どころではアスピリンでしょうか

これは、血小板の3つの役割のうち、放出時に登場したTAX2を阻害します。

そのことで、血小板の凝集を阻止するように働きます。

動脈硬化やステントなのどの障害物があった場合に本来であれば血小板が反応しますが、抗血小板薬によりそれを阻害してくれるのです。

ステント治療の導入初期はステントに何もなかったため、再狭窄が多かったらしいです。

2004以降に薬剤溶出性ステントが出てきて再狭窄が減少、それに加えて抗血小板薬のちょっと作用機序の違う2剤を併用することで再狭窄の率がグンと減りました。

 

抗凝固薬

先ほどの血小板は流れの早い動脈などで活性化しやすかったため、ステントや動脈硬化で適応になっていました。

しかし、フィブリンの形成は流れの比較的緩やかな場所でされやすい傾向があります。

そのため、深部静脈血栓や不整脈など血流が滞ったりする場合に適応になります。

 

これら2次止血の凝固カスケードを食い止めるには各因子を制御するしかありません。

抗凝固薬一覧

Ⅹ因子・トロンビンに直接作用する薬剤があります。

一方でビタミンKを阻害する薬剤があります。

これはどういう仕組みでしょうか。

 

肝臓出身の凝固因子

Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子は肝臓で作られます。

材料はビタミンKです。

そうビタミンKです。

ビタミンKがなくなる・生成が阻害されるとⅡ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子の産生も低下し抗凝固に傾きます。

肝機能低下によって抗凝固傾向に傾くのもこのためです。

 

ワーファリンを飲んでるときに納豆はダメ!

 

これは、ビタミンKを阻害したいのにビタミンKを多く含む食品の摂取を避けるために言われているのです。

 

まとめ

  • 凝固には血管相/1次止血/2次止血がある
  • 1次止血は血小板の作用による
  • 2次止血は各凝固因子の化学反応の連鎖である
  • 血をサラサラにする薬には抗血小板薬・抗凝固薬がある
  • 抗凝固薬はビタミンKの阻害・因子の阻害などタイプがある

 

以上です。ちょっと長くなってしまいました。

次回はこれら薬剤の服用後、留意すべき血液データを解説します。

 

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